●企画名
●直面している課題
SNSやゲーム、過度な習い事など子どもたちが育つ社会環境の変化により、最近の小学生はコミュニケーション能力や発想力、分析力などが欠如しています。
その一方で今日の日本社会は少子高齢化、国際化の影響により社会で活躍する人、一人一人に高いパフォーマンスが求められるようになりました。
これらのギャップを埋めるために初等教育段階から積極的に起業家教育を実践していくことが重要です。
●企画の目的、趣旨
学校での疑問や不満を見つけ、それを改善する方法を考えるワークです。
児童自らが問題点を見つけることで観察力や洞察力、解決策を練ることで発想力、課題解決能力を養うことができます。一連のワークをグループで行うことでコミュニケーション能力の向上、グループ活動についても学ぶことができます。最後にはクラスでプレゼンを行うので、それによりプレゼンテーション能力の向上も期待できます。
●企画の内容(具体的なワークのやり方)
用意するもの:模造紙×班分、ワークシート×人数分
①4人以上のグループに分けましょう。
・グループごとではなく全員にワークシート(下記掲載)を配布します。
②グループ内で、普段学校で不満に思うこと、問題だと思うことについて話し合いを行います。
・ワークシート①に書き込みながら話し合いを進めるようにしましょう。
・最初は完全に自由に話し合いをおこない、話し合いがいきづまってきたらヒントを与えるようにしましょう。
(ヒント:掃除の時間、休み時間、図書館、教室の使い方、席替えなど)
・複数出してもらうことが望ましいです。
・目安は10分~15分
(例:掃除の時間が退屈、クラスの仲があまりよくない、休み時間一定の人がボールを独占しているなど)
③話し合いででた不満や問題点に対してどうすればそれを解決できるかを話し合う。
・ワークシート②に書き込みながら話し合いを進めるようにしましょう。
・その際、「掃除の時間が退屈だから無くす」や「ボールを独占している人がいるからボールを増やす」ではなく現状の制度やシステムを変えることなく解決できる手段を考えるようにしましょう。
・目安15分~20分
(例:掃除の時間が退屈→掃除が楽しくなるイベントを考える、クラスの仲が良くなるイベントを企画する、ボールの独占→みんながボールを使えるようなシステムを考えるなど)
現状の設備やシステムを変えるものでなければ、基本的には児童の意見を尊重しましょう。
④これまで出た問題点とその解決策の中から一つ選択しましょう。
・グループで話し合いを行い、選択しましょう。
・ワークシート③に記入しましょう。
・目安5分程度
⑤ ここからは④で決めたテーマをより具体化していく作業です。
・話し合いを行い、ワークシート④に解決策の概要を書き込んでいきましょう。
・目安15分~20分
例1:掃除が楽しくなるイベント→班対抗雑巾がけレース
概要 教室掃除担当の二班がリレー形式で雑巾がけの速さを競い合います。
例2:クラスの仲が良くなるイベントを企画する→クラスでレクリエーションを行う。
概要:週一回の休み時間クラスでレクリエーション会を行います。
⑥ 企画を活発化、より良いものにするために工夫しましょう。
・話し合いを行い、ワークシート⑤に工夫点を書いてみましょう。
・企画をする際の考えられる課題やどうすれば活性化することができるのかを考えると工夫点が見つかりやすいです。
例1 ・リレーをトーナメント制にして月間チャンピオンを決める。
・チャンピオンには席替え優先権をあげる。
・けがを防ぐため、同時にレースを行うのではなくタイム制にするなど。
例2 ・男子女子両方楽しめるように球技、かるた大会、特技披露会など種類の違うことをする。
・チーム制にして毎回違った人とチームを組むようにするなど。
・話し合いがいきづまったら例を示したり、課題を考えさせたり、ヒントを与えるようにしましょう。
⑦ 発表準備
・模造紙を用意し、各班に一枚配布します。
・これまでの話し合いをもとに発表用模造紙に企画を書き込みます。
・模造紙には書く項目だけ指定し、後は自由に書かせるようにしましょう。
【項目】
・普段学校で不満に思っていること
・問題点を解決するために私たちが考えたこと
・どのようにして行うか。
・工夫したこと
・目安30分程度
・この際どのように発表するかも決めさせるようにしましょう。
⑧ 発表
・模造紙をもとにクラスの前で発表を行います。
・各班1分~2分程度が良いでしょう。
●具体的な到達目標
児童のコミュニケーション能力、観察力、発想力の向上を目標にしています。
物事の問題点や改善点を的確に理解し、解決策を練ることは児童の論理的思考力の向上、新しいものを作り出そうとする精神や積極性を育むことができます。このワークを通して児童がより活発な学校生活を送り、新しいことに積極的に取り組むようになることを期待しています。